海外研修について

研修先はアメリカ・オレゴン州・ポートランド市へ
全国各地から13名で研修を行いました。

現地受入機関はPortland State University (PSU)でした。
1日目はオリエンテーションをすませ午後は現地日本人看護師との交流を行いました。
現地日本人ナースとの交流・体験談で3名の方からお話を聞きました。
この3名は日本で看護師免許を持っており数年働いた後、渡米し今現在アメリカの看護師免許を持ちながら現地で働いていたり、働きながら大学・大学院で勉強している人達でした。日本から渡米してアメリカの看護師免許を取得するにはTOEFL 550点以上であること・NCLEX-RNにパスすることと語学力・看護知識が求められることでした。
又、日本では看護師免許の更新がないが、アメリカでは州にもよりますが2~4年毎の更新をしており「看護の質」を考えると日本でも必要なのではないかと思いました。
そして、日米と基礎的な看護には大差はないようですが日本のナースは「気配り」「心のこもったケア」が出来ている、だからこの想いは忘れずにいたいいという言葉を聞いてうれしく思い、日ごろ時間に追われる勤務の中でも患者さん・家族への気配り・心のこもったケアを忘れがちだったけど改めて見直さなくてはと考えさせられました。

その他に日本とアメリカの医療・看護の違いをレクチャーしてくださった。日本とアメリカでは医療保険制度がまず違い価格も自由価格であることに驚きました。


2日目は「OHSU附属ドーンベッカー小児病院の訪問をし、患者家族サービス・リスクマネージメント・質の管理・チャイルド・スペシャリスについて学んだ。

小児病院らしく中は「病院」という恐怖感を感じさせない造りとなっており天井や壁が明るい装飾となっていること、子供達は何階の何号室と覚えられない為植物や動物などで階や部屋が分かるように工夫されていた。
またオーダリングシステムもしっかりしており薬剤・注射・物品は全てPyxis(ピクシス)システム管理でオーダーの手書きはしない。セキュリティーもスタッフの指紋認識管理で使用する際もその物品のバーコードと患者自身のバーコードが一致する、しないで使用する形だった。物品のIN/OUT管理と管理の質のよさは驚く程でした。

小児病院に通う子供達・長期入院を余儀なくされる子供達の為に心と身体に寄り添う専門家→チャイルドスペシャリストの存在。
北米では子供病院・小児病棟などに必ず配置されており医師・看護師からもとても信頼されている。小児の成長・発達のフォロー、いかに入院生活を過ごせられるかをフォローしていた。治療の説明を手作りのパペットと実際に医療器具(尿導カテーテル・IVH・採血等)を用いて説明のサポートし、時には、余命わずかな子供突然急変した子供の側に家族がベッドサイドにいられるようにするサポートまでしており、子供だけでなくその家族にとっても欠かすことのできない存在であることにとても驚かされました。

午後は「アメリカのヘルスケアシステム」(理想と現実・日米の相違)について学びました。

アメリカでは現在正看護師がほとんどで教育機関も大学が主で専門学校は廃止しようとしていることを知りました。
アメリカでは国民保険はないので個人の保険に応じた対応となりなかには病院にかかりたくてもかかれない人もいる中でも若者はほぼ保険をもっていなく、65歳以上は国の保険制度が利用できることを知った。保険に応じた対応となり在院日数はかなり少ない、保険に入らない人もいるため最終的には公的補助を使用しているため現在の日本と同じような保険制度に変えようとしていることを学んだ。


3日目はまず「教育コーディネーターの役割について」学んだ。教育コーディネーターの役割について看護教育に関わっている人の話を聞いた。

主に新人・継続教育をしていたり、教育担当をいている人の教育の為にオリエンテーションの教材作り・一番最新の基準、エビデンスに基づいてできているか見たり新しい機器に対しての説明など行っていたので教育コーディネーターの知識力ももちろん国全体としての看護教育に対する力の入れ方に驚いた。

新人だけでなく新人へ指導している教育担当が教育コーディネーターから教育されることで常に教育の質が下がらないことも素晴らしいと思った。現在は系列の病院を全て管理していて同じ教育をすることでお互いの連携も取りやすくなり看護教育を考えるのも病院間で共有することで時間やコストの削減につながっていると知った。

次にプロヴィデンス・セントヴィンセント・メディカルセンターの訪問で「マグネットホスピタル」について話を聞いた。マグネットホスピタルとは看護師が集まらない・就職してもすぐ辞めてしまうという問題点からもともと「看護師を引き付ける病院」という意味合いで生まれたものだった。

今回訪問した病院は3回目の認定をされており4年毎の更新で3回目を認定できる病院は2%ほどという。申請基準もかなり厳しく認定とる為にものすごい労力と費用がかかっているが、認定をとることで看護の質が向上・病院の評価・患者さんの満足度のUPという結果となる。この病院を見学した際も院内の清潔さや医師・看護師のプロ意識がすごく伝わってきた。

何かにおいてこのような結果が出たから次もこのような結果を出そうという目に見えたデータがあるということは、普段仕事をしている上でも必要なのだと感じた。

午後はメトロウエスタン救急指令センターへ訪問しました。アメリカでは救急車は民間会社で運営していることを知りました。
救急車を利用するには有料でEMTとパラメディックスの方がいてパラメディックスの資格者はDr.が同乗していなくても患者さんの状態に応じプロトコールがあり基準内での投薬・ライン確保・挿管・気切できるということだった。

救急車内では医師が乗っていなくても挿管はもちろん何種類かの決められた薬品に関しては使用できるという基準がオレゴン州では定められていました。また、救急センターでの待機ではなく、街中で約22台バラバラに待機し911コールがあった近い場所で待機していた救急車が出動、という形だったのでいち早く現場に到着し対処ができ、指令センターの司令塔が状況に応じて受け入れ先の病院の手配をしている日本とは違い、日本でよくあるたらい回しがないことに感心しました。


4日目はポートランド大学看護学部ラーニングリソースセンターへ行き患者ロボットシュミレーションセンターを見学しました。

ここの施設内は病室やクリニック設定となっており実際現場で使用する医療機器や人体ロボットがありミレーションをしながら実習をするが人体ロボットは実際に脈が触れたりIVH・吸引・M-T挿入なども練習できコントロールルームから患者の症状を設定しDM昏睡・気胸・胸水・脳圧亢進・ショック症状などリアルさを体験して学べることができる。
実際の患者さんそっくりに出来ており皮膚の色がシュミレーションの設定にあった色に変わったり実際に教員がマイクを通して声を出すことができていて学生が実際に看護師になってからショックを受けることがないよう学ぶ事ができすごくいいと思いました。

教育もしっかりしていてシュミレーション後学生へのフィードバックをしっかりされていました。日本でも看護学生や新人教育・復職者の教育などを行うにはとても良いものだと思いました。

日本とは学生の頃の教育も異なり実習時間も1000時間以上と州の法律で決められていて日本では資格を取ってからでなければ実際の患者さんにはできないことも学生のころから体験でき教育の差もあると感じました。

午後はプロヴィデンスポートランドメディカルセンターへ行き脳神経科の病棟とICUの見学をさせていただきました。こちらの脳神経科病棟では急性期脳梗塞に対する治療についての話で、救急で運ばれた際到着してから→処置・tPA製剤を投与するまでの時間(TARGET STROKE)を60分以内としており確実な処置・治療ができるようチームができており迅速な対応ができる体制となっていた。

そして梗塞の起きた周囲組織をどれだけもどせるかも重要となっており
①血圧下げすぎない
②生食しか使わない
③SPO2 92%以上保つ
④血糖値の安定を保つ
⑤体温上がりすぎない

ということと急に状態が悪くなった場合の対応などプロトコールがあるので短時間かつ迅速な処置ができるということでした。
そしてこの病棟の見学をしましたが、看護師がどんなスタイルにしたら使いやすいかなど話しあって、出来上がった病院で病室は全て窓側に造られており真ん中側にナースステーション・チャーティングスペースで24床の病室で8部屋ごとにリネン庫・薬剤庫・器材庫がある為看護師の無駄な移動時間の短縮にもつながり24床の病棟なのにとても広々とした病棟・そして使いやすい造りになっていて、病室のドアもただの開け閉めするだけでなくドアの空いているスペースに本日の担当ナース・担当補助の名前・疼痛時などの最終薬剤使用時間などが記入するなどボードのような役割に使用しようしていてすごい工夫をしているなと感じた。

日本では入院~ENTまで診るため在日数も長期化となるがアメリカでは入院在日数は平均4日間と短く驚いた。
ICU見学では面会時間は自由で唯一この時間だけは面会がダメな時間がありその時間は薬剤やDIVをダブルチェックする為の時間でチェック管理もしっかりしていた。
クリティカルナース認定を持っているナースを含むRAPID RESPONSEチームというのがいて急変時の対応が迅速にできることとICU以外の別病棟で「何かおかしい。。。」とICUコールがあった際DrではなくICUナースが行きフルアセスメントして判断できICUナースのレベルの高さにすごく驚きました。

またカテーテルの入っている患者にSAGEというので清拭しておりこのSAGEを使い始めてからカテーテルの入っている人の感染がゼロと聞き感染対策もしっかりしているのと、いかに早くICUから退室できるかTIME TO MOVEというチェックで患者の今の状態を把握しながら看護師だけでなくOT・PT・RT他のスタッフ含め患者さんにとって質の良い看護ができていると感じました。

その後のレクチャーでは「オレゴンの尊厳死」と「リーダーシップ」について学びました。オレゴンの尊厳死についてはオレゴンではPASといい英語で直訳すると「医師の自殺補助」と言われているそうです。
尊厳死の対象となるのはターミナルの患者さんで18歳以上、オレゴン州在住で余命が6か月の患者さんが第一条件と知りました。

適応となるには
①口頭で自分の意思を言える人
②最初に言ってから15日は考える期間が最低でも必要でありそれでもという人が適応となると知りました。

実際に現在までに実行した人では多いのは教育をしっかり受けていてIQが高い人が多く収入が多い人であると学びました。尊厳死を実行するには医師に薬を処方してもらい自分で内服すると知り自分の考えていた尊厳死とは違い驚きました。費用は全て自費の為15万程かかるので尊厳死を行うにも限られて人しかできないと知りました。尊厳死は安楽死とは違うと学びました。リーダーシップにつてはとにかく「まず自分をしっかり知ること」と言われました。そして色々業務が重なっている中での指示をする際も自分の考えと相手の考えが違うこともあるのでまず今何をやらなくてはいけないのか?優先順位を指示することも大切だと思いました。 5日目最終日はカラロガテラス高齢者施設に行き実際に入所している方とふれあうことができました。この施設は17階で300床あり内実際にケア介護が必要とされているのは30人程で他はほとんど自立している人でした。施設内はホテル並みの造りと郵便局・美容院・銀行があり読書やPCをするスペースもあり日本の老人施設とは全く違った。日本のように介護度のようなものはなくただ月10~15万と別に敷金的な金額もかなり高額であった。少しの時間でしたが居住者と習字や折り紙をしてふれあい喜んでいる姿が見られてよかったです。


研修看護師1のコメント
(星野さんのコメント)

5日間の研修を通して日本とアメリカでは看護の差はないけれど環境の差はとてもあると感じました。看護教育に関しても施設環境に関してもとても充実しており患者の満足度を上げるために取り組んでいることが看護師の満足度も上がっており離職率少ないときき良い環境だと思いました。今回貴重な体験をすることができ多くの学び得たものを今後の自分の看護に生かしていきたいと思います。





研修看護師2のコメント
(高塚さんのコメント)

今回初めて海外研修に参加させていただきアメリカの看護などについてみてきましたが看護教育の差、看護師のレベルの大きな違いに衝撃的でした。他に感じたことは保険・治療・PAS・高齢施設どれにおいても金銭的に余裕がないといけないということ。。。それとは逆に低収入者に対しての看護・介護とかは国からの補助的なものはないのかという疑問がありました。いままで日本(長野県内)という狭い場所での医療しかみることがなかったが今回の研修によって視野が広がったこと、今後日本も米国と近いような医療・看護教育になってほしいという思い、今現在新人教育に少し携わっているがどうしたら自分・相手にと教育・指導をすればよいか改めて考えさせられ今後見直しをしたいと思いました。そして現地日本人看護師が言っていた日本の看護の良いところ「気配り」「心のこもったケア」は決して忘れず、今後の看護勉強に生かしたいです。